Taikametsä

見た映画や読んだ本について。

24.01.26 朝ごはん

私にとって朝ごはんは大切なもので、朝がうまく始まらないと1日うまくいかなくなってしまうことが多い。お酒を飲んだ次の日以外は食べることが多い。というより、必ず毎朝食べたいなと思ってる。

 

朝ごはんは大体リゾットかパンのどちらか。

今日はパンの日。

 

 

パンの日は3パターンくらいがあって、

・チーズとキュウリとトマト(時々ここにハムを加える)

・クリームチーズとベリージャム

・ブラウンチーズとベリージャム

この3種類くらいを気分で食べている。

 

必ずコーヒーとキャンドルも。この1週間くらいは、季節が変わり始めたのを感じていて。朝も日が出る時間がぐんと早くなった。朝にキャンドルを使うことも減ってしまいそうだけれど、気分が軽くなる。

 

私が食べてるような朝ごはんは、日本の方には重いかな…。でも私はチーズが大好きだから、常に冷蔵庫に3種類は必ずあって、7種類くらいは入っていることも多い。フィンランドに来てからミルクやヨーグルト、バターなんかを摂取することもかなり増えた。日本にいたときはパンにバターを塗ることも少なかったけれど、夫はチーズよりも分厚くスライスしたバターを塗るというより、乗せて食べる(最初見た時は、びっくりした)。

 

全く違う国で生まれ育った夫と毎日同じものを食べることが何よりも幸せを感じる。

 

終わり。

24.01.25 日記

滞在関係の手続きのために電車ですこし行ったところにある街に行った。

 

フィンランドに来てから、どこの街に行っても必ずリサイクルショップに行くことが習慣になった。日本ではあまりリサイクルショップには行ったことがない。ヴィンテージショップはかなりお値段がするので気軽に行くことは難しかったし、何でも新しいものを買って生活していた。けれども、ヨーロッパは基本的に細々とした日常のものがとても高く感じる。日本だとダイソーやセリアで揃えられそうなものになるほど高く感じる。計量スプーンやチーズカッター、ちょっとした缶や鉢植えなどなど。週に1回くらいはリサイクルショップに足を運んで、生活用品を揃えている。

 

けれども私の楽しみはやっぱり、iittalaとArabiaのヴィンテージ集め。Arabiaはもともと好きだったけれど、引越しばかりの生活でなかなか陶器類を買いそろえる機会が今までなかったのだけれど、Arabiaのヴィンテージが気軽に買える環境に身を置いてしまったからには、もう買い集めるしかない…!

 

そんなこんなで、毎回毎回旅をするたびにリサイクルショップに行っては、少しずつコレクションを始めた。

 

昨日見つけたのはこちら。

 

 

Arabia Savoieシリーズ。明るいオレンジと緑のラインがお部屋に映えるので、即購入した。あまりネットにも情報が見つからなかったのだけれど、90年代に業務用として作られたという文章を見つけた。ホテルの朝食についてきそうな雰囲気のあるカップとソーサーで、しばらく朝のコーヒーはこのカップでいただくことになりそう。

 

 

 

24.01.22 日記

最近のこと。

 

まだまだ寒く、雪ばかりなのだから専ら編み物三昧な毎日を過ごしている。

棒編みはいつかしたいなと思いつつ編み棒まで買ってみたのだけれど、なんやかんやでかぎ編みをひたすらに続けている。同じ作業の繰り返しが多くて、気が立った時や突然不安になった時なんかはひたすら糸を触るようにしてみたら、なかなか癖になってしまった。

マフラー、帽子、コースターなんかの小物類。大きいものから小さいものまで色々と編んできたかも。

 

最近はグラニースクエアの魅力に取りつかれていて、おばあちゃんの家にありそうな懐かしい手作り感のある雰囲気が気に入っている。それに編み方よりも配色に力を入れることができるので気が楽で良い。

 

今編んでいるものはグラニースクエアハット。ニット帽を被って、セーターやらダウンやらを着込んでベイマックスみたいなシルエットで毎日生活しているので、帽子でも日替わりにすれば気分が晴れるかなと思い作っている。前にも同じものを作ったのだけれど、ベージュをベースに白の花のモチーフを編み入れたので、完全に春用になってしまったので、もう少しトーンが落ち着いた配色にしてみた。

 

完成が楽しみ。

 

 

 

キャンドルの灯り

ここ数日本当に寒い。

とにかく寒い。

 

毎日マイナス20度以下で、おまけに少し風が吹いている。

そうなると体感温度はおそらくマイナス20度後半まで低くなる。

 

フィンランドに来てから毎日キャンドルを使うようになった。日照時間が5時間くらいのこの寒くて暗い国でキャンドルの灯りは、私の生活に欠かせなくなってきている。

 

私はヴィンテージショップというより…リサイクルショップに行くことが趣味なのだけれど、そこに行くとたくさんのキャンドルホルダーが見つかる。もちろんスーパーに行っても大きなキャンドルコーナーがある。フィンランドに来てから、スーパーのキャンドルコーナーと毛糸コーナーの大きさに驚いた記憶がある。

リサイクルショップでは、Iittalaのキャンドルホルダーなんかは大体10€くらいで手に入る。Arabiaのお皿なんかももちろん手に入るけれど、それ以外にも魅力的なものを見つけることが楽しい。

テーブルの窓際にはこの1か月くらいで集めたキャンドルホルダーたちを並べている。すべて0.5€で見つけたもの。かわいくてかわいくて、とても気に入っている。(基本的にヒーターの上には発酵中のパンが…)

 

 

キャンドルを使い始めた理由はもう一つあって。

まだよく理解していない…というより日本の電気事情もあまり知らないが…フィンランドの電気料金は固定制と変動制があるらしい。私の家は固定制だから関係ないといえば関係ないのだけれど、変動制を選択している人たちは毎日毎時間電気の使用料金が変わるみたい。

昨日は特別電気料金が高くなると、噂になっていた。特に19時から20時が高くなると。アパートからも電気代が高くなるから、あまり電気を使わないようにメールが届いた。なぜかエレベーターも止まっていた…。電気を使わないように呼び掛けられるなんて不思議な気分。

 

日本の家の電気は基本白くて明るいものが多い気がする。移住してから1か月くらいは、昼間でも暗いのだから白い電気をつけたいなと思っていたけれど、最近は3時くらいから夜までずっとキャンドルで過ごすことにも慣れた。火を見ると落ち着くし、電気代の節約になるし、まあこれもエコなのかな。

 

 

終わり。

 

 

 

新しい土地で新しい生活。

1年以上ブログなんて見ていなかった。

目の前のことに精一杯で、常に付きまとう不安感と憂鬱。

それでも突然何か長い文章を書きたくなったから書いてみることにした。

 

最後のブログが2年弱前に名古屋に引っ越しした時に書いたもの。

年が明けてもう2024年になってしまった。

 

2022年は何をしていたか正直あまり記憶にない。

恐らくまだまだマスクをしながらの生活で、生きるためのお金を維持することに精一杯だったと思う。それからの2023年は本当に人生の分岐点のような年だった。

 

2023年の初夏に結婚した。夫はロシア人。夫の個人的な事情のため急ぐように結婚した。結婚して今は半年くらい経つ。もちろん激しい喧嘩もしているけれど、夫という存在は私にとってはもう特別なもので、彼のことを考えていると言葉で言い表せない気持ちが溢れでてくる。私とともに生きていく決断をしてくれた彼には感謝している。

 

結婚してすぐに私はモロッコへ移住した。夫も同時期に日本からフィンランドへ引っ越しをした。夫はもう10年以上フィンランドに住んでいるから。

2人で別々の国で生活する予定だったけれど、私はその別居生活に意味を見出せなかった。結局2年の予定を3か月で切り上げて日本に帰った。

もともと仏語が通じる国で生活することが夢だったけれど、身の回りのことが突然すべて変わって、私にも家族というものができて、自分の家族という形を守りたい気持ちが本当に強くなった。

日本に帰って、すぐに準備をして、ヨーロッパへ飛んだ。長距離フライトに1年で6回乗るなんて、私にとっては前代未聞のこと。慌ただしい1年だった。

 

私の新しい土地はフィンランド。

首都から外れた田舎に住んでいる。

 

仏1年、モロッコ3か月、10か国くらいヨーロッパを旅したけれど

フィンランドはいい意味で日本に似ていると感じるし、少し変。

とにかく静か。奇声を上げていたり、すれ違いざまに薬物の臭いがすることもない。

後を付け回しながら声をかけてくる人なんていないし、スリに注意を払って町を歩くこともない。

スーパーに小麦粉やパスタが散らばっていることもなければ、トイレもきれいで、レジもスムーズ。

Visaの手続きはオンラインで予約して、予約した時間にすぐに呼ばれ、

書類をチェックされるときも溜息を疲れたり、ごねられたりすることもなかった。

私にとっては驚きの連続だった。

 

今日新しい年が始まって、なんだかとても嬉しい気分。

 

マイナス20度の中、朝から散歩をした。なんてことない朝の写真。

 

 

もう体が寒さに順応してきて、マイナス6度くらいまでなら平気になった。

でもさすがに太陽が強く空気が澄み切ったときのマイナス20度は本当に寒い。

体は服で守ることができるから大丈夫。それでも頬は痛いくらいに寒い。

 

それでも毎日散歩に行く。

 

きゅっきゅっと足元の雪が鳴るのがとても好きだし、鬱防止の役割も強い。

フィンランドの冬はとても辛いと聞いていたけれど、それは嘘じゃない。太陽がとても低くて、毎日午後3時ごろにはもう太陽が沈んでしまう。

一度、散歩しようと思い歯磨きをして洗顔をして、服を着替えた後にはもう厚い雲が太陽を隠してしまったことがある。こんな些細なことで泣いてしまった。

 

それでも今の自分の選択に満足している。

 

今はまだ友達もいないし、この国で仕事もないのだから

少し定期的にブログを更新しようかな。

 

2023年の振り返りと新しい年への希望に満ちた気持ちで。

 

終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Han Kang『すべての、白いものたちの』

 

私は、純白で穢れのない白という色があまり好きではないのだけれど、

グカ・ハンの作品を読み終わってからずっと

無色の静謐で凛とした印象の作品に触れたいと思っていた。

 

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『すべての、白いものたちのの』には「白木蓮」という文章がある。

 

春、香りがあって純白で大きな花を咲かせる白木蓮(ハクモクレン)は

自然への愛を含み、高貴であることや、高潔で荘厳な心だとかを花言葉に持つらしい。

 

大学の同期が亡くなった後、教室から見える丘に白木蓮の樹を二本植えた。

 何年も過ぎた後、生命ー再生ー復活を意味するその花咲く木の下を通り過ぎながら、彼女は思った。あのとき自分たちはなぜ、白木蓮を選んだのだろう?

 

闇を抱いて燃え上がる、がらんどうの、白い、炎をたち―—三月につかのま咲いて散る二本の白木蓮は、それなのだろうか? *1

空白と白、黒と炎が、bhleg-へと帰すように

 生と死の弧が、「生命ー再生ー復活」を辿るように

白木蓮の白が、咲いて散るさまが美しくて…

 

ただ、この作品の中心にあるものは白木蓮でも白く燃え上がる炎ではない。

 

ハン・ガンの言葉は5種類の白い紙に印刷され、

母の乳、産着、白絹、壽衣といった白が、常に生と死の間に介在し、

 しなないで、生きていってほしいという祈りを

もしかしたら、受け止めることができるかもしれないと思わせてくれるような作品。

 

 

*1:ハン・ガン『すべての、白いものたちの』斎藤真理子訳、河出書房新社、2020年、103頁。